バイクのチェーン交換の目安と正しい交換方法

ドライブチェーンの交換の目安と、チェーン交換に必要なもの、正しい交換手順をご紹介します。

動画でもご紹介していますので、ご覧ください。



今回はYAMAHA YZF-R1’04年型を使ってご紹介していきます。

チェーンの交換 YZF-R1'04

YZF-R1’04は、純正では530のチェーンが付いていますが、このユーザーさんはサーキット走行をすることがあるため、520にコンバートしてあります。

今回も520のレーシングチェーンに交換します。

 

チェーン交換の目安

チェーンは消耗部品ですが、見た目に減り具合が確認しにくく、交換時期が分かりにくい部品の1つです。そこで、チェーン交換の目安となるポイントをご紹介します。

①チェーンの波打ち

チェーンの波打ち

チェーンのピンが一直線に並ばず、波打っている状態になってくると滑らかな動きとならずパワーロスやスプロケット磨耗の原因となる為、交換のサインです。

②チェーンの張り

チェーンの張り

リアタイヤを回しながら、チェーンの張り具合をチェックします。

場所によって張り具合が大きく違っているようなら交換のサインです。

③チェーンの錆

チェーンの錆

チェーンは一度錆び始めてしまうと急速に動きが鈍くなってしまいます。

錆が目立ち始めたら交換時期です。

④走行距離

お手入れにもよりますが、多くのチェーンの寿命は10,000km~20,000kmとされています。

あまりメンテナンスしていない場合は10,000km程度、まめにメンテナンスしている場合でも20,000km程度で定期的に交換するのが理想です。

 

チェーン交換に必要なもの

チェーン交換には下記のものが必要になります。

①チェーンカット&リベットツール

チェーンカット&リベットツール

圧入タイプのチェーンでは、「カット」「圧入」「カシメ」の3つの機能が必要です。

カット

カット

圧入

圧入

カシメ

カシメ

安価なチェーンカッターはカットすることしかできないものもありますので、購入時には注意が必要です。

非常に大きな力がかかり、壊しやすい工具ですので、しっかりしたものを選びましょう。

②レーシングスタンド

レーシングスタンド

チェーンの張りを調整しますので、リアタイヤを浮かせる緩める必要があります。

センタースタンドがない車両では、事前にレーシングスタンドを用意しておきましょう。

ストリート用チェーンとレース用チェーンの違い

レーシングチェーンはレース専用に作られていますが、具体的に下記のようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
・軽量・高剛性・低フリクション ・低寿命・高価


レース用チェーンは寿命が短いため、まめにチェックして交換する必要があります。

また、レーシングチェーンでは520以上のサイズがありませんので、場合によってはスプロケットと合わせて交換する必要があります。

この点を注意してチェーンを選びましょう。

主なチェーン交換の手順

主なチェーン交換の手順はこちらです。

 

①リヤアクスルを緩める

②チェーンアジャスターを緩める

③古いチェーンをカットする

④新しいチェーンをかける

⑤余分なコマをカットする

⑥ジョイントの外プレートを圧入する

⑦ジョイントのピンをカシめる

⑧チェーンの張りを調整してアクスルを締める

 

①リヤアクスルを緩める

リヤアクスルを緩める

リヤアクスルを緩める際は、できればボックスレンチを使いましょう。

モンキーレンチなどを使うとナットを舐めてしまう事がありますので、注意が必要です。

②チェーンアジャスターを緩める

チェーンアジャスターを緩める

2本のスパナを使い、チェーンアジャスターを緩めます。

③古いチェーンをカットする

チェーンをカットする

チェーンカット&リベットツールをカットモードにして古いチェーンをカットします。

ガイドでチェーンを挟み込んでからピンを締めこんでいくのがポイントです。

チェーンをカットする際、チェーンカット&リベットツールの組み合わせに注意しましょう。

間違った組み合わせをして壊してしまう事がよくあります。

チェーンカット&リベットツールの間違った使用例

こちらは間違った使い方の典型的なパターンです。

外プレートを押さえるガイドがセットされていません。

このまま締めこんでいくとピンがずれてしまい、チェーンをカットできないだけでなく、工具を曲げて壊してしまいます。

④新しいチェーンをかける

チェーンを仮つなぎする

古いチェーンと新しいチェーンを仮つなぎします。

今回はワイヤーで繋ぎましたが、タイラップなどでも大丈夫です。

チェーンを掛ける

グルグル回しながら新しいチェーンをかけていきます。

途中で外れてしまうと、車種によっては、フロントスプロケットに掛けるのが大変になってしまう場合があります。

仮とはいえ外れないようにつないでおきましょう。

⑤余分なコマをカットする

余分なコマをカットする

新しいチェーンをかけたら、リヤスプロケットに掛けて余分なコマ数を測ります。

この残ったコマを②と同じ手順でカットします。

⑥ジョイントの外プレートを圧入する

ジョイントをセットする

まず、くれぐれもOリングを忘れずにセットし、同梱のグリスを適度に塗っておきましょう。

ジョイントを内側からセットします。

外プレートを圧入する

外プレートを仮止めし、チェーンカット&リベットツールを圧入モードにしてセットします。

また、ツールは正しくセットしてサイズに合ったものを使いましょう。

定規でチェック

一度に締め切らず、まめに厚さをチェックしながら圧入していくのがポイントです。

ツールを締める重さが重くなったらすでに締めすぎで手遅れです。

定規などを当てながら、他のコマとのラインを確認していくと分かりやすいです。

⑦ジョイントのピンをカシめる

ジョイントのピンをカシめる

チェーンカット&リベットツールをカシメモードにセットし、ピンをカシメます。

この際も、ツールの組み合わせに十分注意しましょう。

間違ってピンを押し出してしまったり、プレートを押してしまいジョイント部分の動きが悪くなってしまったりすることがあります。

⑧チェーンを張ってアクスルを締める

最後にチェーンを適度な張りになるように調整します。

真ん中で上下に3cm程度の振れ幅になるのが目安です。

調節できたらアクスルシャフトを締めますが、アクスルシャフトを締めるとチェーンが張ってしまう事がありますので、もう一度チェックしましょう。

最後にチェーンアジャスターを締めてロックし、完了です。


ご注意
チェーン交換後、スタンドを掛けたままエンジンを回してチェックすることは、巻き込み事故などに繋がり大変危険です。絶対に行わないでください。
本コンテンツは、ユーザーメンテナンスでの誤解を防ぎ、安全性を高めるためにまとめたもので、みだりに行うと整備不良による事故のみならず、作業途上にも思わぬケガをする可能性がありますので、慣熟するまでは必ず有資格者の指導の元で自己責任で行ってください。また、本作業に起因する事故や負傷については当店では一切責任を負いませんので、ご了承ください。